叶わなかった旅行

去年の6/3から二泊三日で彼女と温泉旅館に行く予定だった。


その年の3月くらいから、彼女とどこに行こうか?などと話していた。

旅行に行こうと決めた理由は、彼女とデートで夕食を食べている際に彼女から、治療の効果があまりないこと、医者から「このままだと余命2年」と言われたこともあり、彼女を元気づけるために提案した旅行だった。


彼女に行きたいところを聴くと温泉だったので、湯治も兼ねて、それなりに有名な旅館に決めた。


旅行会社に行き、電車のチケットと合わせて予約をして、旅行までの期間は二人とも、本当に楽しみにしていた…


たた4月中旬くらいから、彼女の具合が悪いことが続き、旅行に行くのは、難しそうな感じだったので、自分から「旅行は次の機会にして、まずは回復させよう!」と、残念そうな彼女を説得した。


もともと旅行の費用は、貯めていたので、僕が全部支払う予定だったから、その費用を治療に使うようにと彼女に渡した。


それから2週間も経たないうちに彼女は亡くなってしまった…


きっと旅行を楽しみにしていたから、悔しかったろうな…


できることなら、また彼女と旅行に行きたいな…

悔しいなぁ…

どうしようもなくて休んでしまったこと

ちょうど去年の今日は、会社をズル休みしてしまった。


彼女が亡くなった翌日、朝、目が覚めいつものように仕度をして会社に向かう。

向かう途中で、「今日から彼女のいない世界なんだ…」と思ってしまい、泣きそうになるのを堪えていた。

その日は、何事もなかったように振る舞いながら、仕事をし、足早に定時で帰った。


その翌日、今日の5/10、彼女が斎場の霊安室に移されたと聞いていたので、会社に体調不良と嘘をつき午前休をもらい、彼女に会いに行った。。


斎場の人に面会に来たと伝え、故人とどのような関係で?と聞かれ、真っ先にに「恋人です」と答えると、スタッフの方は、とても辛そうな表情をしていた。


部屋に案内され、入ると、彼女は冷房か強めに効いた部屋で布団に入り横たわっていた…


まさに寝ているように…

一昨日までの苦しさが、嘘のように穏やかな表情をだった。


その顔を見た瞬間に何かが、切れたように涙が滝のように出てきた…

彼女が亡くなったときには、言えなかったことが、その場ではでてきてしまい、思わず、「なんでだよ?」と、彼女を問い詰めてしまった…


きっとその時も彼女は、「ごめんね。」と言っていたに違いない…


しばらく泣きながらも、彼女に想いを伝え、斎場を後にした。

彼女が亡くなって、友人にも両親にも、もちろん同僚にも話してなく、一人で、辛さを抱えてしまい、その日は、いてもたってもいられず、そのまま、会社を休んでしまった…


それから会社の近くにいるわけには、いかないので、電車に乗り、自宅近くまで移動し、街をウロウロしていた…

何も考えたくないが、とにかく悲しくて、悲しくてしょうがなかった。。


後にも先にも、彼女のことがつらくて休んだのは、この日だけだった…

命日

昨日(5/8)は、彼女の命日だった・・・


前日の夜からすでに落ち込んでいたが、やはり当日も辛いというか、どういう感情を出してよいのか解らない状態となっていた。。


彼女が亡くなったのが、20:19。。

その日は、仕事が終わって、入院していたので、お見舞いに行く予定だった。

18:00に仕事が終わり、電車に乗って病院がある池袋まで向かう途中、彼女のお姉さんから

「血圧が下がり、危険な状態」と連絡をいただいた。


そのメールを見た瞬間、「いったい何を言っているのか、全く理解ができなかった」。

当然、その日はお見舞いに行き、彼女の様子を見るだけだと思っていたので、そんな突然に容体が悪化するなんて夢にも思っていなかったから・・・


池袋駅につき、そのままタクシーに乗り、病院に向かう。

約20分くらいの時間だったが、恐ろしく長い時間に感じた。

あとは、いま考えてもその時、何を考えていたのか思い出せないが、とにかく「彼女に会いたい」「彼女がいなくなるのは嫌だ」ということだけは覚えている。


病院につき、病室に着くと、彼女はすでに危篤状態だった。

多分、僕のことも認識できていなかったと思う。。

ただ自分にできることは、彼女のそばにいてあげることだけだった。

彼女の手を握り、ずっと見つめ、見守っていた。


その間、彼女の家族も周りで見守っていたが、息苦しそうにしている彼女の姿を見ているだけで、すでに涙が止まらず、頭はパニックになっていた。

どれくらいの時間が経ったろう。。段々と彼女の容体も変化し、20:19に彼女は旅立ちました。。

最期まで僕は、彼女の手を握り、彼女を見つめていた。。

今思えば、最期を看取ることができたのは、幸せだったと思う・・それでもあんな思いは、もうしたくないくらい辛い出来事には変わりない。。


そんなことを思いながら昨日は、「この時間、彼女はいたんだよな・・・」とか考え、仕事が終わった後、お墓参りに向かった。

やはり、先日の一周忌では涙があまり出なかったが、今回は涙が溢れてしまった。。。


もう一年経ってしまったことが信じられず。

彼女がいなくなって一年という月日が恐ろしく感じてしまった・・・